長さんはだみ声だった。
長さんは品がなかった。
でも、長さんは面白かった。
おなかの底から大笑いさせてくれた。
来る週も来る週も。
あるとき、長さんがドラマに出ていた。
それを見て僕らは笑ってしまった。
でも、ふと気が付くと、長さんは渋い演技をしていた。
長さんはかっこよかった。
僕らは引き込まれた。
見ていると、なんだか元気が出てきた。
あんなふうに年を取りたいと思った。
年を取ってもベースなんかはじいて楽しんでる、
そんなかっこいい年の取り方をしたいと思った。
ある日突然、気がついたら、長さんはいなくなっていた。
あんなに元気をくれた長さんが、今日、今、もういない。
いなくなって初めて気づく、その存在の大きさ。
でも、僕たちには長さんの思い出がある。
長さんがたっぷりくれたエネルギーがある。
これさえあれば、老齢も高齢化も怖くなんかないさ。
僕たちは長さんのことをずっと思い出すだろう。
思い出して、きっときっと、元気でかっこいいじいさんになるぞ。
いかりや長介、Forever !
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